ミドリメモ

我輩はパパである。育休はもうない。

ぼくたちは子作りを開始した

第1章 妊活編

「ぼくたちは子作りを開始した」


吾輩はパパである。科学的思考はもうない。(以下一人称変更)

今から約5年前、妻との結婚後初の長距離旅行(大阪)で「子どもなんか欲しくない」と言って放ったのである。

漠然と子どもが欲しいと思ってたぼくは動揺した。旅行中に微妙な雰囲気となった。真夜中に2人でぼーっと自宅で留守番中の猫の見守りカメラ映像を1時間ほど観続けたくらいだ。会話も碌にせずに。

翌日からその暗い雰囲気を覆い隠したのが大阪の旅行地としてのポテンシャルである。ミシュランに載ったお好み焼き屋さん、ゴゴイチの肉まん作りたて、あちこちにあるたこ焼き屋さん。どれもサイコーグルメだった。なかでも別格だったのは、タバコの吸い殻は床にポイ捨てシステムの立ち呑み焼き鳥屋さん(地下商店街内)が最強過ぎた。本当にここは現代日本なのかと思うほどの郷愁感。控えめに言ってもエグい、エモい、エレしい。こんな魅力に首ったけのぼくである。脱線。

 

 そんなこんなで時は流れ、約2年前から妻の気持ちに変化がみられた。「やっぱり欲しいとは思わないけど年齢的に産めなくなってから後悔したらどうしようとは思っている」と。まさかの急展開でぼくたちは子作りをすることになった。

 しかし、できない。子ができない。

 押しても引いてもできない。東に良い神社があると聞けばお参りに行き、西に良い寺があると聞けばお参りに行った。同僚の女子が子作りのために行為後に逆立ちをしていると言えば逆立ちさえいとわなかった。彼女はなにを思ってぼくにそんなことを打ち明けたのかは謎のままである。とにかくぼくたち夫婦も早速取り入れた。なんならぼくまで一緒に逆立ちをした。

 ぼくたちの職業は医療従事者である。非科学な行為にまで頼って滑稽だと笑ってくれ。そうじゃないと報われないよ。尚、結果は報われず。